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活動レポート

活動レポート

パッチアダムス九州講演会 Energy For Dream 夢の実現に向けて

2004年08月22日 更新

日 時
2004年8月22日(日) 13:30~16:10
場 所
熊本市民会館 大ホール
参加費
3,000円
参加者数
約2000名
主 催
パッチアダムス九州講演会実行委員会
共 催
NEXTEP事務局
協 力
ケアリングクラウン研究会
後 援
日本医師会、日本看護協会、社会福祉法人全国社会福祉協議会、 福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県、鹿児島県、 沖縄県、熊本県、熊本市、熊本県医師会、熊本市医師会、朝日新聞社、読売新聞社、毎日新聞社、西日本新聞社、NHK熊本放送局、熊本朝日放送、熊本放送、テレビ熊本、 熊本県民テレビ
協 賛
全日空、熊本県医療法人協会、株式会社近代経営研究所、 医療法人社団寿量会熊本機能病院、医療法人田中会田中病院、ニューコ・ワン株式会社、アサヒワンビールクラブ

◇講演プログラム

12:30

開 場

13:30
オープニング
13:40
主催者あいさつ (パッチアダムス九州講演会実行委員長 島津智之)
13:45
来賓あいさつ (熊本県知事 潮谷義子)
13:50
Dr.パッチアダムス講演会
16:00
エンディング
16:10
終 了

 

 

 

◇Dr.パッチ・アダムス氏プロフィール

 

大ヒット映画「パッチ・アダムス」の実在のモデル。

 

本名 ハンター・アダムス。医学博士。
1945年、アメリカ・ワシントン生まれ。
16歳の時、父親や叔父の相次ぐ死のショックによる深い失望感から自殺未遂、精神病院に自主入院。その後も入退院を2度繰り返す。しかし、そこで友人とのコミュニケーションから友情が大きな力を持つこと、笑いやユーモアが人の心を癒すことに気づき、医師の道を志した。
仲間との医療共同体「お元気で病院(Gesundheit Institute)」を設立し、無償で診察にあたっている。

 

診療のかたわら、理想的な夢の病院(ウエストバージニア州ポカホンタスに建設予定)の完成に向け、建設資金を募るために講演やワークショップなどの活動を世界的に展開するほか、各国の紛争地や自然災害地などをクラウンとして訪問し、人々に、愛と笑いのみならず、食料・物資・お金までも届けている。

 

熊本市民会館前には、開場前から大勢の方が並んだ。入場口の外では、かわいいイラストが描いてある大きな看板と、ピエロの格好に扮した場外スタッフがお出迎えをし、来場者の方々を楽しませた。開場すると、たちまち1800席の会場が埋まった。ホールには色とりどりのバルーンアートが飾られ楽しい雰囲気を醸し出し、また、パッチたちが建設中の病院Gesundheit Instituteを紹介するパネルも展示された。会場内ではビデオ「あなたの夢は何ですか?」が放映され、来場者の皆さん一人一人に、それぞれの夢を改めて思い出してもらった。

 

講演会に先駆け、パッチアダムス九州講演会実行委員会を代表して島津智之が開会挨拶、そして来賓として潮谷義子熊本県知事にご挨拶をいただいた。知事はクラウンのように赤鼻をつけて登場され、会場が沸いた。知事は、「つらい思いを抱えて悩んでいる人に対して、私たちが『分かる分かる』と言っているのは実は想像に過ぎないのだ、という謙虚さを持つことが大事」と述べられ、「患者さんと同じ目線を持って治療できる医師」、「笑いの中にも真実を見つめる心を提案してくれている」とパッチを紹介してくださった。

 

パッチはゆっくり大きな声で、手振りなども交えながら私たちに語りかけた。まず、自身の3つの夢について語った。1つめは職業軍人の父親を亡くされたという経験から、暴力で人が死ぬことのない地球、すなわち地球上の平和であり、2つめはアメリカ南部での人種差別を経験されたことから、すべての人が正義を手にすることであり、そして3つめはケア、すなわち医師、道化師、人間として愛や思いやりを持つということであった。また、アメリカの医療”ビジネス”制度では、貧しい人へのケアが不十分で、病院と患者が互いに信頼することができないと語った。このためこれらの問題を解決するための病院を開院、12年間無償医療を行ったこと、現在も新病院のための資金を集めていると話したあと、38年かかってようやく建設のめどが立ったことに対して「この夢を難しいと思ったことはない。むしろこの夢を追わないでいることのほうが難しい」と言った。

 

ここで、パートナーのスーザンが夢についての持論と自己紹介および夢の実現方法を話した。「夢とはまだ事実ではないが、わたしたちがエネルギーを持って事実にしていくものである」ということ、そして具体的に「対立を暴力ではなくユーモアと想像力で解決していく」ことが夢であると語った。スーザンは作曲家であり、社会を設計する学校を設立、運営していると自己紹介したあと、社会で夢を持ち続けるには、儲けることを考えるあまり心から相手を思いやることが難しくなる資本主義制度に縛られないことも大切だと言った。また、人は初めドキドキしていたことでも時間がたつと習慣になってしまうということを恋愛を例に出して説明し、この習慣化を”decay”「退行する」と言った。そして夢を実現するならこの「退行」を遅くしなければならず、パッチはそれができ、そして実際にしてきた人物なのだと語った。

 

再びパッチが登場し、スーザンの言った「退行」を遅らせる方法として、17項目のリストを挙げた。その中で最も重要なものとして「他人のために尽くすことを、自分の夢の目的にする」ことがだと語った。また、「楽しくやる」ことや「あきらめない不屈な精神を持つ」こと、「仮面をかぶらずいつも自分自身であり続ける」こと、「想像力を持つ」こと、「不平を言わない」こと、「傲慢に推し進めるのではなく、情熱を持って周囲に語りかける」こと、「批判精神を忘れない」こと、「実際に体を動かす」こと、「共同生活の中では妥協をする」ことなどを挙げた。

 

質問の時間では、会場を埋めた来場者の皆さんから多くの質問が出され、最後まで熱気を帯びた状態で幕を閉じた。

 

(文:パッチアダムス九州講演会実行委員会、写真:立川恵一郎)

 

 

(講演会以外の事後レポート)

 

お出迎え

 

お迎えは熊本交通センターで、15名のスタッフによって行われた。2名が「Welcome to Japan & Kumamoto」と書かれた横断幕を持ち、パッチ一行それぞれに渡す花束を6個用意した。彼らが乗ったバスが交通センターに入ると皆で大きく手を振り、パッチ達が全員降り終わると歓迎の意味を込めてみんなで歌を歌った。この歌は「カエルの歌」の替え歌であったが、歌い終わった後、彼らはとても喜んでくれた。次に用意した花束を渡した。彼らは一連の歓迎をとても気に入ってくれ、持っていたアコーディオンなどを使って演奏をしてくれた。またパッチがその場にいたスタッフ全員とハグまでしてくれた。アメリカから何時間にもわたる旅で疲れ切っているにもかかわらず、である。ホテルに向かうタクシーを見送る間、スタッフの中にはこれからいよいよ九州講演会が始まるのだなという気持ちが湧いてきた。

 

合同記者会

 

会場に現れたパッチはみんなに”Hello~!”と笑顔で声をかけ軽く会釈をした。穏やかな雰囲気の中ごく自然な感じで会見が始まった。実行委員長島津の挨拶のあと、コーディネーターの高田から今回の来日の目的が伝えられた。それは「日本の若者が、現実を見つめ、自分の生き方、自分の生きていきたい未来社会に関心を持ち、自分の言葉で語り、行動するためのさまざまなアイデアについて一緒に考えていきたい」というものであった。

 

続いてパッチから自己紹介とパートナーであるスーザンの紹介があり、改めて今回のツアーについての思いを以下のように語ってくれた。「平和や正義を求め、お互いにケアする心を持つ時、そこに情熱や”Loving‐Care”が生まれる。このことについて私たちは革命を提唱している。この革命は、人間の人生を喜び、大切にすることであり、思いやりを持つという価値観による革命である。そして、日本の若者たちはこの考え方に非常に関心を寄せてくれた。そこで今回、愛情についてのセミナーを開催したいと考えた。このような考え方がさらに広がっていくことを望んでいる。」

 

続く記者からの質問にも彼は身振り手振り、時にはコミカルなしぐさを交えて答えていた。その中でタイトル「Energy For Dream」についてのの考えを求められた時には、「それは『夢の実現に向けた働きかけ』であり、『Passion&Persistence情熱と不屈の精神』を意味している。Passion(情熱)とはまさにEnergyそのものであり、Persistence(不屈の精神)とは夢を長い時間追いかけ続けることである。夢の実現への過程は長く、時にはエネルギーが衰えていくこともある。しかし、ケアをすることの中にとても美しく新しいエネルギーが湧き出てくる機会がたくさんある。だから一生懸命がんばっていても燃え尽きてしまうことはないんだということをみんなに伝えたい。」と熱心に語ってくれた。

 

会見では俳句を引用するなど、日本文化への造詣の深さが感じられた。予定時間を大幅に過ぎながらも心を込めて真摯に語ってくれる姿に、パッチの日本人に対して親しみと期待が伝わってくる記者会見であった。

 

交流会

 

この交流会は、講演会を開くにあたって応援していただいた方々、当日スタッフとして一緒に頑張ってくれた方々へお礼の意味を込めて催した。日本古来の蔵を改造したお店は、たった今講演会を終えたばかりの熱気と感動で溢れかえっていた。参加者は、受け付けで引いたクジの通りに着席し、名札を付け、まずは食事をしながらの自由な歓談から始まった。会場は初対面ながら一つの講演会に関わったもの同士盛り上がり、明るく楽しいおしゃべりで満たされた。そして大きな拍手の中、パッチ一行の登場。参加者の視線が一気にパッチに集まった。ユーモアあふれる彼らの登場に会場は笑いの渦に巻き込まれた。講演会では出会うことの出来なかったパッチの仲間達や家族にもそれぞれ各テーブルに座ってもらい、パッチによる紹介と乾杯により、メインイベントがスタートした。会場には歌まで飛び出し、食事に、おしゃべりに、さらに熱を帯びていった。そんな中、一行の代表であるワイルドマンへスタッフからお礼のメッセージを送った。その後、パッチは持ってきてくれていたDVDや本に一つ一つ丁寧にサインしてくれ、参加者との交流を楽しんでいた。続いて質問タイム!パッチだけでなく、息子のラーズや、パートナーのスーザンなどにも様々な質問が飛び、会場は講演会に続き、再び笑いと感動に包まれた。質問の中には「若者達が夢を持ってワクワクしながら生きている世界の作るには?」というものもあり、「それはまず私達一人一人が夢を持って生き生きと輝くことだ」と一つの答えをパッチは教えてくれた。

 

そんなハッピーな時間もあっという間に過ぎ、最後に全員で集合写真を撮った。二階で会場の様子を楽しんでいたスタッフも加わり、総勢100人超の写真では、みんな笑顔笑顔笑顔・・・この交流会の成功をじんわりと感じることの出来る一枚であった。そしてパッチ一行をみんなでハグして「ありがとう」を伝え、大盛況の中、宴の幕は引かれたのであった。

 

(文:パッチアダムス九州講演会実行委員会、写真:立川恵一郎)

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