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活動レポート
夜回り先生講演会 講師:水谷修氏夜の街の子どもが水谷先生に心を開くのか?
2004年10月02日 更新



◎日 時: 2004年10月2日(土)
10:30~12:00 (開場 10:00)
◎場 所: パレアホール
◎参加費: 当日チケット2,000円
(事前にお申し込みいただいた方は1,500円)
◇水谷修氏(みずたにおさむ)プロフィール
1956年横浜生まれ。上智大学文学部哲学科卒業後、横浜市で高等学校の教師となる。
現在、横浜市の夜間高校の教師。教師生活のほとんどの時期、生活指導を担当し、高校生の非行、薬物汚染問題に関わる。
特に薬物問題では、若者たちから「夜回り」と呼ばれている。深夜の繁華街のパトロールを通して、多くの若者たちとふれあい、彼らの非行防止と更生に取り組んでいる。
著書:
『ドラッグ世代―第五次薬物汚染期の若者たち』(太陽企画出版)1998年2月
『中高生の薬物汚染―知るべきこととできること』(共著・農文協)1998年7月
『さらば、哀しみのドラッグ』(小社刊)1998年11月
『さよならが、いえなくて』(共著・日本評論社)2000年7月
◇事後レポート
◇島津(主催者代表)の挨拶
自分達に何ができるのか、何をしたいのかを見つけるきっかけになる講演会に・・・
◇講演要旨
12年前夜の世界へ。
2年前太宰府で薬物防止の講演会でリストカットをしている一見普通の女の子との出会い。これをきっかけに、自殺願望、over dose、リストカットの子供達と向き合うようになった。現在、このような子供達からのメールが、夜回り先生に送られてくるメール(4万件)の9割を占めている。
攻撃的な社会が子供達を否定するため、子供達に自信を失わせ、子供に子供自身を否定的に捉えさせる。夜の町へ入っていき、グループを作り大人に反抗できる子は元気のある子で全体の数%にすぎない。90%はやさしい子で自分自身を責めている。その子達は「生きる」ためにリストカットをしている。自分の子供は大丈夫と思わずに、もっと目を向けて欲しい。
戦後第4次少年犯罪多発期の特徴
(1)軽犯罪(窃盗や万引き)
大人や社会の一方通行のコミュニケーションによって、ものを考えない子供が増え、子供達の判断基準はみんながやっているかどうかである。だから、軽犯罪が増加している。大人や社会は子供の目線に立つ必要がある。
(2)性非行・性犯罪
体を売る女子は、一時のやさしさ(自己肯定感)を求めている。これは、学校や家庭で大切にされていないためである。人はほめられる事で自信がつきやさしくなれる。今は、性の情報があふれ、gender freeの時代になっている。その情報の中身は、男尊女卑の傾向にある。大人は子供と向き合って、愛と性の教育をするべきであり、一番の教育は両親のいたわりあう姿である。
(3)女子の犯罪増加
成人の男女比は6:1、少年の男女比は3:1である。男子は徐々に変わっていくが、女子は一回目の性経験をきっかけに大きく変わる。女子の犯罪増加に、一回目の性経験が大きく関わっている。
(4)凶悪犯罪の増加
人は人との触れ合いがないと生きていけない。ひきこもりや不登校の場合、親も孤立することが多く、同じ問題を抱えてきた親達からのアドバイスのもらえる自助グループなどによって親を孤立させないことが大切である。
(5)薬物乱用
大人は点(本人一人)で終わるが、子供は面(集団)で広がっていく。薬物は依存性のある病気であり、愛の力では治せない。「薬」の概念をもたせるために、ちょとした薬でも相談薬局で薬剤師の話を聞いて買うなどの薬物予防教育が幼少のころから必要である。
何ができるのか・・・
一人でも多くの子供に、その子自身のすばらしさを教えてほしい。昼の世界で大事にされ、やさしくされた子は夜の世界に行かない。昼の世界で昼の子供達を守ってあげてほしい。
◇感 想
水谷先生は以上の報告書の内容以外にも実際の子供の話も話された。子供と向き合い、受け入れる姿は、感動させられた。小学校4年生のリストカッターの話やエイズになったアイちゃんの話・・・涙が止まらなかった。生まれたばかりの赤ちゃんには無限の可能性があるだろう。成長していく中で自己肯定をできなくされた子供達にとって、自分の居場所を探すことはとても難しいのだと思う。そんな子供達にとって、たった一人でいいから自分を認めて受け止めてくれる人がいるだけで、自分自身を受け入れ自己肯定する大きな手助けになるのだと思う。水谷先生は、そのたった一人になり、全身全霊でその子供を受け止めているのだと感じた。
(文:片野坂舞・小川あすか、写真:荒木真吾)
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