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活動レポート

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フォトジャーナリスト 安田菜津紀 講演会「写真の力 ~東北、中東から~」

2015年04月07日 更新

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◎日時:3月22日(日)
◎場所:熊本県民交流会館パレア 会議室1
◎参加者:70名


 カンボジアを中心に東南アジア、中東、アフリカで貧困や難民の問題を取材し、東日本大震災以降は陸前高田を中心に記録を続けていらっしゃるフォトジャーナリストである安田さんが、写真の力というテーマでどのようなお話をなさるのか、講演の前から楽しみでした。

 まずはカンボジアという国の歴史と現状についてでした。カンボジアは、十数年前まで戦争状態だった国で、今でも400万個の地雷が残されているそうです。地雷で両足をなくし、一度は死のうと思った方が、家族や妻の支えで生きていくことを決意したという話と共に映し出された笑顔の写真がとても印象に残っています。
また、カンボジアではトラフィックト・チルドレンと呼ばれる売り買いされたこどもたちが問題になっています。被害にあって保護されたこどもたちがする話は自分の辛い話でなく、「自分は保護されたけど家族は大丈夫か?家族を助けるために自分にできる職業はないか?」といった家族の話だといいます。

 そして東北の話でした。東日本大震災から4年がたち、報道されることも少なくなってきていますが、仮設住宅の8割はまだ埋まったままだそうです。復興にはまだまだ時間がかかります。「忘れないでとは言わない。みなさんの生活にいかしてくれ。」という言葉がとても心に残りました。震災から学び続け、長い長い関心を持ち続けることが大事で、それが震災の被害者の命をつないでいくことにつながるのです。

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 最後にシリア、ヨルダンの話でした。シリアという国が安田さんの写真でスクリーンに映し出され、その美しさに目を見張りました。シリアは国も人もとても美しく、安田さんが好きな国のひとつだそうです。しかし、反政府デモそして内戦が起こってしまったため、人口の半数が国内外へ逃げたそうです。ヨルダンの避難民は100万人を超えています。ヨルダンにあるザータリ難民キャンプでは、インフラが追いつかず、子どもの肺疾患が深刻化しているそうです。また国連から配給されたものを売ってお金にかえ、生活をしている人もいるということでした。戦争のせいで、家族に先立たれたり、離れ離れになったり、尊い命を落とした子どもたちの話には、胸が詰まりました。
 戦争で傷つくのは、戦場にいる人だけではありません。普通に暮らしていた何も関係のない人たちが命を奪われたり、大切な家族と離れ離れになったりと、傷つき続けなければならないのです。戦争が紙の上で終わったとされても、その日から元の生活に戻れるはずはないのです。

 安田さんが、ある人に言われた言葉があります。
「役割分担なんです」
1人が全部の役割を果たすことはできなくても、できることを持ち寄ることはできるということでした。あなたが果たすことのできる役割とはなんですか? そう聞かれてすぐに答えられる人がどれほどいるでしょうか? 考え続けていかなければいけない課題だと思いました。

 今回の講演会では、安田さんが撮られた暖かい写真の力だけでなく、たくさんのことを見て、聞いて、感じてこられた安田さんが紡ぐ言葉の力を感じました。
 とても貴重な講演をありがとうございました!

 (皆越)

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