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シェア金沢 視察レポート

2017年05月05日 更新

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視察日:2017年3月21日
文:佐々木
※佛子園ホームページ社会福祉法人佛子園 http://www.bussien.com/



石川県金沢市にある「シェア金沢」をご存知でしょうか。シェア金沢は、総面積が11,000坪(サッカーのコート5つ分ほど)ある“地域”なのですが、昔からあった地域ではなく、社会福祉法人佛子園プロデュースにより病院跡地を造成し、2013年4月にスタートした新しい地域です。そのコンセプトは、子どもたち、障害のある人、お年寄りなど、みんなが「ごちゃまぜで暮らすコミュニティ」。制度の枠に囚われない取り組みが全国から注目され、テレビなどメディアでも多数取り上げられています。この度、ネクステップでこのシェア金沢を視察させていただきました。



シェア金沢はどんな場所か



シェア金沢は、障害のある人が暮らすグループホーム、障害児入所施設、サービス付き高齢者向け住宅、学生向け住宅といった居住系施設を核としながら、様々なお店も存在しています。そのお店も多岐に渡っていて、クリーニング店、スポーツクラブ、マッサージ店、デザイン事務所、ジャズ喫茶、飲食店、住民により運営される売店、温泉施設など、様々です。(※2017年3月現在、高齢者向け住宅に40人、学生向け住宅に8人、障害児入所施設に30人 合わせて約80人が居住している)

その取り組みは、街を構成する商店や施設を集めただけということではなく、例えば学生向け住宅に住む学生は、家賃が手ごろな代わりに、シェア金沢の施設で毎月一定時間数のボランティア活動をすることがルールです。夜、障害児入所施設のこどもたちの寝かしつけまでを担当したり、芸術系の学校に通う学生は、シェア金沢館内の黒板ボードや壁などに手書きの案内マップを制作したりするなど、自分の得意分野で力を発揮します。高齢者住宅に入居するお年寄りもそれぞれに役割を担っています。例えば敷地内にある畑を管理したり、植木の剪定ができる方は、敷地内の植木の手入れを。シェア金沢の共同売店の運営は、店番のみならず、売り上げの管理や仕入れも含めて住人に任されています。

(佛子園ホームページ:施設一覧 http://www.bussien.com/info/f_maps.html)


シェア金沢だけを見てもその取り組みは大きな挑戦だと思いますが、実はシェア金沢は社会福祉法人佛子園の事業全体から見ると一部分でしかありません。法人で取り組む事業はさらに広いエリアに展開され、事業所の種類も多岐に渡ります。これだけ意欲的な取り組みを、このスピード感で展開されていることもすごいことだと、改めて感じました。

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「取り組みの真ん中にこどもたち」



さて、到着早々から圧倒されるような気分になるシェア金沢の視察でしたが、実際に佛子園に長く勤められている小西様からこれまでの歴史を伺って、ネクステップにも共通するようなストーリーがあることも知ることができました。それは、取り組みの真ん中にずっとこどもたちの存在があったということです。

社会福祉法人佛子園は、前理事長が戦争後にお寺に孤児を受け入れられたことと、その後、必要性を感じて1960年に、知的障害児の入所施設を開設されたことが始まりになります。さらに子どもたちが成長していく中で、引き続き地域の中で生きていくことができる為に必要な環境を整えようとされ、様々な事業を展開して来られたというお話でした。働く場所としての就労支援事業や、グループホーム、ケアホームの展開。表向きはこういった事業としての展開ですが、これらの展開にあたっては常に地域の中に溶け込んでいけるように、地域の方々と地道にコミュニケーションを積み重ね、信頼関係づくりがずっと続けられています。

そして、シェア金沢もまた、構想のきっかけとなったのは、それまで使ってきた障害児入所施設が老朽化し、立て直しの必要があったことでした。それまでの施設は街の中にあり、地域の商店も多く、コミュニティの中で社会経験を積みやすい環境にありました。しかし、古い施設は一人あたりのスペースがとても狭く、立て直しにあたってはこども一人あたりのスペースをゆったりと確保したいという思いがありました。土地を探しあぐねた結果見つかったのが、現在のシェア金沢の土地です。

ところが、この場所は近くに商店が少ない住宅街の一角でした。子どもたちが地域社会の中でいろいろな交わりや経験を得ながら成長し、暮らしていく為にどうできるかが課題となりました。そこで、広大な土地を活かして、様々な人が暮らし、商店が入るような一つの町を計画しようということになりました。それが、シェア金沢だったということでした。

一方、小西様からは、シェア金沢をさらに地域に開かれた場所にしなければならないということ、スタッフを育てていく必要性など、今後への課題も伺いました。シェア金沢もまた、挑戦の最中にあるということです。



ネクステップでは、特に重い障害のあるこどもたちの人生に寄り添えるよう、少しずつ取り組みを進めているところです。彼らが社会に出ていき、イキイキと暮らす姿を思い描き、そこに必要なことを考えていくにあたって、今回の視察はたくさんのヒントや、イメージを得る機会となりました。ぜひ、今後のネクステップの取り組みに活かしていきたいと考えています。今回の視察にあたって、日程等調整いただきました西田事務局長様、ご対応いただいた小西様はじめ佛子園の皆様本当にありがとうございました。




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