認定NPO法人
ひとりじゃない。つぎの一歩をいっしょに。

INTERVIEW

NEXTEPがもっとも大事にしているのは、人との出会い。
これまでに出会った大切な人たちに話を聞きました。

仲間や子どもたちにパワーをもらい、
気づけば15年以上経ちました。

みやした農園 宮下 博行

「そろそろお昼休憩にしようか?」。畑で汗を流す仲間たちに声を掛ける宮下さん。NEXTEPのスタッフにとっては兄貴のような存在です。不登校の小学生を対象にした農作業体験を中心とするフィールド活動で、立ち上げ当初から本業を生かしてNEXTEPの農作業をサポート。15年以上ものあいだ活動に関わってこられた理由は、NEXTEPでこそ得られた「出会い」と、程よい「距離感」にあったと語ります。

「引きこもる子どもたちに次の一歩を」。
フィールド活動立ち上げの想いに共感。

NEXTEPのフィールド活動をサポートするキッカケとなったのは、友人からの相談でした。「不登校児を支援するために農作業体験の活動を始めたいという病院の先生がいるんだけど。手を貸せる人いない?」と言われて。「ならば、オレが手を貸そうか?」と気軽に引き受けました。実際に島津先生とお会いしてみて「家に閉じこもってる子どもたちにとって次の一歩となる、家を出るキッカケ作りとして、フィールド活動を始めたいんです」とお願いされて。あぁ、良いことだな。と素直に共感したんですよ。

それで、仕事用に借りていた畑の一部をフィールド活動で使ってもらうことにして。最初は開墾作業から手伝ってもらいました。じつは当時、私の親と一緒に本業の畑仕事をしていたんですが、活動のことを理解もらえなくて。「お前が抜けると仕事が進まない。利益にもならないことを何でするんだ!」と言われ、何度もぶつかり合いました。それでも、この活動を必要としている人たちがいると信じ、妻と一緒にサポートを続けてきました。

▲宮下さんの管理する畑と作業⼩屋にて、農作業や季節の⾏事を様々に。
不登校サポート事業「フィールド」∕左:そうめんながし 右:ポニーとのふれあい

無反応だった子たちが表情ゆたかに。
巣立つ姿を見送る喜び。

月1回のフィールド活動に関わり始めた当初、10人ほどの子供たちが通ってくれていました。子供たちと畑に種を蒔いて、育った野菜を収穫したり、敷地の一角に作った窯でピザを焼いて一緒に食べたり。そうそう、毎年夏の恒例になっていたのが、流しそうめん。竹林から竹を伐採して割るところから始めるんですよ。春はタラの芽を摘みにも行ったなぁ。自然豊かな環境で、さまざまな体験を行ってきました。

いわゆる不登校や学校に馴染めない子たちばかりでしたが、特に気を使うことなく普通に接してきました。ときにはNEXTEPのスタッフより先に叱ったことも。なぜなら、活動の一環にはケガを伴う危険もあるから。たとえば、野外で料理をするときは、薪作りからやってもらうんですよ。木をナタで割り、火をつけるための葉っぱを集めて。冗談半分で危ないことをしたときは「ケガでもしたら、どうするんだ!」と真剣に怒ります。そうした交流を積み重ねていくうちに、最初は話かけても無反応だった子が、だんだん心を開いて表情も豊かになって。私自身も元気をもらえて楽しかったです。

▲宮下さんの管理する畑と作業⼩屋にて、農作業や季節の⾏事を様々に。
不登校サポート事業「フィールド」∕じゃがいもの収穫

仕事では絶対に関われない人たちとの
出会いも魅力。

立ち上げた当時と比べると、参加する子どもはずいぶん減りました。でも、やっぱり巣立ってくれるのは嬉しいものですよ。寂しい気持ちより、喜びの方が大きい。本来はこうした場所がなくても暮らしやすい社会が理想ですから。ある日、フィールド活動の立ち上げ当時から長年通ってくれていた子と、近所でばったり再会したんです。今は農業法人で働いていて、すっかり立派な社会人になって。そりゃあ15年以上関わっていれば、色々とありますよ。利害関係で繋がっているわけではないし、活動を手伝うためには時間と労力も費やしますしね(笑)。それでも続けてきたのは、子どもたちの成長を見届けてこられたから。

それに、本業の農業だけでは決して関わらない人たちとの出会いも面白いんですよ。NEXTEPの活動に参加している人たちは理解のある人が多いですし。特にフィールドのような活動って、専門家の集まりじゃないことも大事かと思うんです。専門知識を持つ人たちじゃないと彼らを支えられないとなると、いつまでも問題は解決しない。彼らに出来ることはいっぱいあるんだから。活動に参加し始めた当時に生まれ、今では高校生になった娘も「手伝いたい」と言ってくれて。活動に興味を持ってくれるのは嬉しいことです。

つかず離れずの程よい距離感。
体力と時間の許す限り、関わり続けたい。

友人に相談された当時、まさかこんなに長く関わることになるとは思ってもみませんでした。私に限らず、NEXTEPを応援している人たちの多くも同じ気持ちかもしれません。大切な時間や労力を費やしても関わりたくなるのは、やっぱり島津先生の存在が大きいですね。上手く説明できないけれど、魅力がなければ、誰もついて行きませんよ。島津先生からの頼みごとなんてめったにないから「すみません、手を貸してください」と頼まれると、よほどのことだろう。と引き受けてしまう(笑)。

私たちのような外部のサポーターは月に1回くらいの手伝いだけど、NEXTEPの活動に毎日携わるスタッフは本当に大変だろうなぁって思うもの。皆さん、あまりにもエネルギッシュで、そのパワーに引っ張られている感じ。結局は、そこが魅力かな。それに、つかず離れずの関係も、お互いに気楽でいいんですよ。深くは関わっていないし、かといって、さほど遠いところにいるわけでもない。「ちょっとお願いしていいですか?」と言われても無理しない間柄だから、続いているんだと思います。これからも体力と時間の許す限り、関わっていきたいですね。

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