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活動レポート

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スマイルスクール2008~子どもの教室~

2008年08月10日 更新

◎講 師: 1限目 「今求められる志の教育」 木村貴志先生
◎講 師: 2限目 「笑って行こう!クラウン体験教室」 塚原成幸先生
◎講 師: 3限目 「みんな違って、みんないい」 村上忠明先生
◎講 師: 4限目 「仲間とつながり、ハッピーになる」 金森俊朗先生
◎講 師: 5限目 「ことばとコミュニケーション」 黒川裕一先生

 

◎日 時: 2008年8月9日(土)~10日(日)
◎場 所: 熊本県民交流館パレア
◎参加人数: 15名

 

◎事後レポート

 

◆内容◆

 

スマイルスクール、こどもの教室の1時間目はBackers寺子屋の塾長をしておられる木村貴志先生の授業でした。まずは、きむら先生が日ごろBackers寺子屋の塾生たちとどのような活動をしているのか紹介されました。自然体験活動をはじめ、企業経営者の話を聞いたり、実際に企業見学に行ったりと幅広く中身の濃い活動をされています。
次に資料を使って、諸外国と日本の子どもたちの学びに対する考え方や、将来への思いに違いがあることを話されました。資料にあった調査結果では日本の子どもたちは他の国に比べ、前向きでない回答が多く並んでいて、人のために、社会のために何かしたい!という熱い思いを持っている人も少なかったです。きむら先生は、自分だけ幸せということはありえないと言われました。自分さえよければという考えでは人生はつまらない、人は、人のために何かすることで、実は自分にそれがかえってきて、周りのために働いた分だけ自分の人生はもっとおもしろいものになるということでした。私はその話にとても納得しました。
最後に「夢」と「ビジョン」と「志」について話がありました。この中の“志”と言う言葉がキーワードです。きむら先生が今回の授業のはじめから最後まで一貫して伝えられたことは、「志を立てて欲しい」ということでした。自分だけではなく、周りの人や世の中全体のことを見て、考えることができる広い視野を持って、志を持って行動していくことが大切だと感じました。最後にBackers寺子屋でも実践されている、吉田松陰の言葉の素読をしました。かつて、高い志を立てて生きていた人々のことを改めて知り、活を入れられた気がしました。

 

2時間目の授業は臨床道化師をされている塚原先生の時間でした。はじめにミッキーマウスのテーマで体を動かしました。全員で円を作り、中央の印を踏んでもといた場所とは違う場所行くゲーム、拍手を送るゲーム、太鼓をたたいた数と同じ数でグループを作るゲームと次から次にいろいろな遊びをしました。
それから風船を使って遊ぶことになりました。風船といえば膨らませて遊ぶものですが、いつもと違う遊びをしてみようということで何種類の遊びが考えられるかをしました。まずは膨らまさずにゴム鉄砲のように飛ばして遊びました。初めから上手に遠くへ飛ばせる子、なかなか飛ばせない子、私も上手に飛ばせませんでした。次は膨らませて口をすぐに結ばず、手を放してみるとブルブルブル…と空気が抜けながら飛びました。さらに風船の口を引っ張りながら音を出して楽器にして遊びました。いよいよ膨らませて口を閉じ、風船らしくなりました。上に投げてターンしてキャッチする、手をたたいてターンしてキャッチする、だんだんと技を難しくしていきました。それから、イメージを表現する遊びをしました。風船をものすごく重いものとイメージして持ち上げてみると、みんなの風船が風船じゃないように重そうに見えました。逆にとても軽いものとして自分まで一緒に飛ばされるような動きをしてみると本当にそんなふうに見えました。次は体の同じ部分で触らないようにして移動しながら風船を飛ばしました。途中から他の人の邪魔をしながら移動するようにすると、とても盛り上がってみんな楽しみました。気がつくと初めて会う人どうしの中で少し緊張ぎみだった子どもたちも笑顔になっていました。
仲良くなるきっかけになることがあると短時間でもこんなに楽しくなるのだなと思いました。その後も風船バレーをしたり、スカーフで遊んだりしました。2人1組で、相手の目を見てハンカチをすばやくとるゲームと腕で押し合うゲームもしました。今日始めて会った人同士でも目で相手の心を読みながら無言のコミュニケーションをとりつつゲームを楽しみました。そして皿回しをして終わりました。つかはらさんは最後に「笑顔でいるから楽しくなる」と言われました。同じことを一緒に“楽しむ”、そして“笑顔”でいること、これは年齢や性別、国籍など関係なく人と人がつながる第一歩だと思います。これからも笑顔で、まわりの人と楽しむことを忘れずに日々を過ごせたらいいと思います。この日はそんなことを感じながら終わりました。

 

2日目の1時間目はむさし先生ととにかく遊びました。自己紹介を始めたときから、むさし先生の親しみやすい雰囲気から、教室はリラックスした空気が流れていました。遅出しじゃんけん、じゃんけん列車、その後じゃんけん列車で後ろから3人目までは、罰ゲームに何かすることになりました。尻文字、うんちく10個以上言う、思い思いにずっこけてみる、みんなの前で歌を歌うなど、子どもたちから、これをしよう、あれをしようとたくさん案が出ました。人前で自分を表現することが得意な子、好きな子がたくさん前に出て、苦手な子のかわりにみんなを楽しませてくれました。私も途中から夢中で遊びに参加していました。
むさし先生は授業の最後に金子みすずさんの「わたしと小鳥とすずと」という詩を紹介して、今日のこの一時間がとても楽しかったもの、みんな一人ひとりが違っていたからなのだと話されました。参加者一人ひとりのよさを挙げながら「自分ができないことは誰かがやってくれる、なんでも1人でやってしまおうとしなくてもよい」「みんな違ってみんないい」自分のことをまずは「自分は1人しかいないかけがえの無い存在だ、私は私、これでいいのだ」と自分のことを大切にすること、そしてそれと同じように周りの人もかけがえの無い大切な存在だとみんなが感じることができることが大切、むさし先生からのメッセージは子どもたちにもしっかり伝わっていたように思います。

 

2時間目は、金森先生の授業でした。みなさんはトロプスという言葉を聞いたことがありますか?これは、英語のスポーツ(sport)を逆にした(trops)ところからつけられました。トロプスのルールは、競争のない、みんなが楽しむことを一番に考える、そういうルールにたった体育のことです。私も今回始めて聞きました。例えば野球をするときに、得意な子は1振まで、苦手な子は20振までとしたり、打つのが苦手な子には、仲間からピッチャーを出し、近くから投げて打たせてあげたりするのである。一見つまらないように思えるかもしれません。金森先生が教えた子どもたちも始めはそうだったそうですが、一生懸命みんなで楽しむために工夫をこらしながら自分たちだけのゲームを作り上げていく中で、打てなかった子が打てたりしたときに一緒に喜び、いつのまにか「他人の喜びが自分の喜びになる」という感覚を知っていきました。私はこの他人の喜びが自分の喜びになるというのは本当に素敵なことだし、簡単ではないかもしれないけどとても大事なことだなと感じました。
次に漢字のできかたについて話されました。なぜ、右と左で書き順が違うのか、あなたの右手とわたしの右手が重なってできる漢字はなにか、いろいろな漢字の由来などを聞いていると、漢字はただの記号ではなく本当に奥深いものだと感動しました。子どもたちの感想の中にも漢字が好きになったとか、もっと勉強したくなったという感想がたくさんありました。
次に教室を目一杯使って陣取りをしました。いつもは運動場いっぱいを使ってするそうです。陣地から出発して敵とぶつかったら自己紹介をして足じゃんけんをします。負けたら次の人に「負けた」と伝えて次の人が出発です。体を使って遊ぶとやはり子どもたちはいきいきと楽しそうでした。
金森先生のクラスでは、4月の初めにこうした遊びをしてみんなと仲良くなり、トロプスの考え方を知り、漢字のお話で勉強と仲良しになり、それをお家の人に教えてお家の人とも仲良くなる。そうして1年間を仲間とともに過ごすそうです。
授業も終わりに近づき、金森先生はせみの抜け殻をみんなに見せてくれました。セミは8年もの長い間土の中で過ごし、地上に出てわずか1週間で死んでしまう。かわいそう。…本当にそうなのでしょうか。人間はいつも“人間のつもり”で考えてしまいます。逆から考えることや、自分のものさしだけでなくさまざまな立場や角度からものごとを見る、いくつもの視点を持って見ることができる複眼を持って欲しいと先生はおっしゃいました。最後に金子みすずさんの「大漁」という詩を紹介されて授業は終わりました。この詩もとても心に残りました。

 

3時間目の授業は、黒川先生の授業でした。みんなで裸足になって授業が始まりました。3人1組になり、そのうちの1人が、自分から1.5mほど離れたところに背中を向けて立っている残りの2人(A,B)に対して、AさんかBさんのどちらを呼ぶか決めて「もしもし」や「こんにちは」と声をかけます。呼ばれる側の2人は、自分が呼ばれたと思ったら手を挙げます。呼びかけた相手が呼ばれたと感じてきちんと当てられたら成功です。
私は初めてやりましたがなかなか難しかったです。他のグループでもうまくいったり、いかなかったりしているようでした。そこで黒川先生がコツを教えてくれました。呼びかける相手の首の後ろあたりに点を絞って、ちょうどキャッチボールをするように、相手に届きやすいボールを投げるつもりで「声を届ける」とよく聞こえると言われました。そのとおりにやってみると、さっきより成功するようになりました。3人で順番にそれを体験しました。自分の出す声に対してあんなに意識したことはありませんでした。
次にその3人組で仲間の声だけをたよりに障害物を避けて教室の壁から壁を往復するゲームをしました。リレー形式で1人が目をつぶって、次の人が案内役になり、案内役の指示通りに動いてスタートから反対側の壁にタッチして戻ってくるというものです。3人目が戻ってきたらゴールです。教室中に椅子や机を置いて始まりました。目をつぶるとちょっと前に動くのも怖くてどきどきしました。他のチームの声が飛び交う中、仲間の声に耳をすまし、信じて指示通りに動きました。案内役もすごく難しかったです。どんな指示を出せばわかりやすいのか、試行錯誤しながら案内をしました。気をつけたことは、さっき学んだ「相手に声を届ける」ことを意識したことです。ゲームは盛り上がり、みんな楽しみました。
2回戦は、作戦会議をした後に行いました。グループごとに「45度右」とか「半歩前」など細かな指示も決め、指示に共通理解をもったことで、1回目より障害物を増やして難易度があがったにも関わらず、1回目より早くゴールするチームが多くなりました。この日初めて会った人がほとんどのグループでしたが、何度も聞いて仲間の声を覚えてきたからかなとも思いました。
最後に全員で円になって、ちょうど向かい側にあたる人の目を見て相手に届くように今日の感想を言い合いました。“人に届く声”は、ただ大きければいいというわけではないと思った、はじめて声について考えた、これからは作文を読むときや発表するときにも自分の声を届けるということを意識していきたい、など参加者の感想にはそれぞれに新しい発見があったことを教えてくれました。声は思いを届ける一つの手段です。しかし、そこに意識をするのとしないのとでは、コミュニケーションに大きな差が出てくることが分かりました。

 

5人の先生の授業に参加して、本当にいろいろな発見や改めて考えさせられることがたくさんありました。しかし、どの時間でも共通していたのは、人は誰かと、何かと関わりあって生きているということを再確認したことでした。そしてその関わり合いが、お互いにおもいやったり、助け合ったり、励ましあったりするものであれば、それぞれの人生はもっともっと楽しくて豊かなものになるのだと感じました。そのためには、それぞれが伝え合う力を高めて、認め合い、一緒に楽しんで生きようとする姿勢が大切だと思います。スマイルスクールが参加者にとっての何かのきっかけになればとても嬉しいし、私自身も今回参加して感じたことを忘れず、毎日を丁寧に生きていきたいと思いました。

 

(文章:松永)

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