> 活動レポート > 訪問看護見学後のレポート20

活動レポート

活動レポート

訪問看護見学後のレポート20

2013年10月29日 更新

◎日 時: 2013年10月9日~10日
◎参加者: 訪問看護ステーション管理者

 

<見学を終えて感じた事>

 

1)事業設立経緯と事業拡大の情熱を知る

 

・理事長の島津医師と管理者の中本さんがタッグを組み、賛助会員からの会費を元手に訪問看護事業所を起業した点、現在安定した収入が得られている点について、驚嘆の思いで聞きました。中本さんが小児訪問看護を実践していくうちに、訪問看護師だけでは在宅を支えるに限界があると肌で実感し、“ヘルパーステーションドラゴンキッズ”(常勤ヘルパー1名・非常勤ヘルパー2名)を立ち上げ、“福祉有償運送サービス”(看護師1名・ヘルパー全員・主事が免許を獲得)を準備し、今年度は障害者総合支援法に基づく“居宅介護事業”(看護職員が兼務)を開業していったのでしょう。起業は必然だったことが伺えました。研修に訪れる前は、各事業に携わる職員は別々に就業しているイメージでいましたが、実際は皆一緒のスペースで兼務しながら勤務していました。複数の事業を運営する中本さんのたくましさを感じました。

 

次年度は“日中お泊り事業”に着手すると聞きました。現在においても、長時間訪問看護加算の活用により、母親が訪問看護師の滞在中に用足し出来たり、兄弟姉妹の送り迎えや受診などが出来るよう支援されていましたが、今後はその幅が広がり、母親にとって大きな助けになるのではないかと思います。

 

2)熊本県をとりまく小児医療事情と訪問看護

 

・熊本県には大学病院を含む3か所のNICUがあるも、患児がそこから在宅へ帰るためには非常にたくさんの課題をクリアしなくてはならないため、NEXTEPの理事長である島津医師が在職する<再春荘病院>へ転院し、約3か月をかけて在宅への準備をしていることを知りました。この準備期間の3か月は、現代の医療事情では非常に難しいと思われますが、再春荘病院ではその期間に親がケアの獲得をしながら在宅への意志決定をし、在宅の環境を整えられるよう支援しています。そして、試験外泊を繰り返す中で親が成功体験を積めるようにしていき、そのことで在宅がしっかりとしたものになると聞くことが出来ました。次いで、訪問看護師が支援していくというパイプが出来上がっていることが、実際の同行訪問で、訪問看護師が退院時に病院に出向き、子供及び両親と共に自宅へ帰り、いつものようにケアをする場面を見ることにより実感できました。

 

北海道はNICUから転院できる医療機関は極わずかで、しかも都市に限局しています。小児科医が常駐していない地域さえあります。自分たち訪問看護ステーションだけではなく、医療機関や市町村を巻き込んで体制整備をしていく必要があると強く感じました。

 

・また、再春荘病院では短期入所機関としても機能していました。親はショートを利用しながら自分をいたわる時間を持ち、再び子供にケアと愛情を注ぐことが出来ているのだなと感じました。それぞれの事例によって違うだろうが、数日のショートを月に1~2回利用している傾向があり、こまめに利用することが小児の場合“こつ”なのだろうと思います。

 

ちなみに、入院中は在宅と同じように保清やケアが受けられず、「自宅に戻って入浴したら垢が一杯出てくる」という悩みは全国共通だなと感じながらも、その“垢こすり”を母親と訪問看護師が共に楽しんでいるひとときにもなっていると感じられました。

 

3)小児訪問看護の特徴と魅力

 

疾病や障害はあれどかけがいのないわが子で、そのことが対面した母親・父親の溢れんばかりの笑顔から伺えました。

 

また、両親の介護負担の軽減ばかりでなく、母親としての成長や父親としての役割発揮に力を入れて看護していることが特徴でもあると感じました。

 

同行訪問では3事例すべてにおいて入浴場面をみることが出来ましたが、入浴場面がリハビリであり遊びの関わりであり、職員が効果的に支援していることが伺えました。

 

ステップ♪キッズにおいても24時間対応体制を整備しているとのことでした。

退院直後から半年~1年の間は電話相談が多いものの、母親の対処能力が向上するにつれ回数は減り、事業所に電話がかかってくる頻度は月に1~2回程度なのだそうです。自分達のステーションよりも少ないかも知れません。電話ばかりではなく、母親からのメール相談を活用しているところが、高齢者とは違う特徴でしょう。

 

4)小児訪問看護に特化するメリット

 

一人一人の子供とそれぞれの親に添った看護を提供するために、職員間で絶えず情報交換されていました。それは介助の方法であったり、物品の工夫であったり。ただし、いつも小児に焦点が絞れているために、職員は専門知識を次の事例に活かしやすく、技術もすぐに実践しやすいと思われました。

 

札幌市など都市部の訪問看護ステーションは特徴を出していかないと競合できないとの声も聞いています。特化できる強みがあれば、もっと大胆に展開するステーションを整備してもいいのかも知れないと思いました。

 

5)訪問看護師の教育体制整備

 

ステップ♪キッズの職員は30代と若く、職員の中には管理者の中本さんに魅かれて訪問看護に踏み出した人もいるようです。新採用した職員へは約3か月先行投資して教育するそうで、同行訪問を積み重ねながら教育しているようです。新職員と3回同行訪問し、4回目に「この職員」が合格出来たか母親に確認するといった形で訪問できるお宅を増やしていき、知識や技術を確実に獲得しているのでしょう。

 

北海道看護協会でも小児看護の研修はあるが、小児訪問看護の研修は訪問看護養成講習会の講義のみと限定されています。となれば、次は自分達の組織の中で小児訪問看護を実践しているステーションに見学に行くなどの仕組み作りはどうかと一考しました。

 

感謝

 

久しぶりに訪問看護の場面を見るいい機会となりました。どの職員の方も子供さんのお母さん・お父さん方にも快く迎え入れていただき、感謝の気持ちで一杯です。

 

本当にどうも有難うございました。

NEXTEPの活動にご支援いただいている特別協賛各社