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活動レポート

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訪問看護見学後のレポート39

◎日 時: 2015年5月15日
◎参加者: 医学部学生

<見学を終えての感想>
私は小児科医志望の学生ですが、この度は熊本の小児在宅医療を学ぶ一環としてステップ♪キッズの訪問看護を1日見学させていただき、多くの学びの機会をいただきました。

私がステップ♪キッズを見学することを志望したきっかけは、病院実習の一環で一般の在宅医療を見学したことでした。ほとんどの利用者が高齢者であり、小児の利用者を受け入れる際は、小児病棟経験のあるスタッフがいることが条件となることが多く、一般の訪問看護ステーションでは小児の受け入れがあまり進んでいないことを知りました。一方でNICUから人工呼吸器をつけて退院するお子さんや、手厚いケアを必要とするお子さんが退院する様子を目にする機会も多く、このようなお子さんがどのように家で過ごされているのか、大学教育の中では学ぶ機会はありませんでした。将来医師として働く上で、在宅医療を取り巻く環境や親御さんの苦労、課題を知らないままではならないと思い、今回見学をお願いさせていただきました。

 見学は午前、午後それぞれ1件ずつ訪問に同行し、主に入浴介助や遊びを用いたリハビリを見ることができました。入院中や外来で出会う様子とは違い、お子さんもご家族も柔らかい表情でゆっくりとした時間が流れていることが印象的でした。入浴介助では看護師さんとヘルパーさん、PTさん、お母さんがそれぞれ役割を決めて連携を取りながら行い、人工呼吸器をつけているお子さんでも危なげなくお湯につかり体をほぐすことができていました。またリハビリは体を動かすとともに、遊びを取り入れてお子さんの「体を動かしたい」という意欲を高める様な手作りの道具を使われていました。お子さんも楽しそうに繰り返し体を動かし、また見守るご家族も嬉しそうにされており、「次はこんな遊びも取り入れてみよう」などとお話しされました。一つ一つのケアの中でスタッフの皆さん笑顔を絶やさず、お子さんの表情の小さな変化を観察しながら話しかけている様子がとても温かく感じられました。
 お母さんは訪問中、気になることを相談し、ケアの様子を見守るとともに、家事を行うなど安心してお子さんを預けている様子がうかがえました。午後のお宅ではケア中に下のお子さんが幼稚園から帰ってきたのですが、まっすぐにお母さんの胸に飛び込み、その日の様子をたくさんお話しし、甘えている場面がありました。病院では待合室で寂しそうに待っているきょうだいさんをよく見かけましたが、訪問の時間がきょうだいのお子さんにとっても、お母さんを独占できる時間となっていることが分かりました。
 
 訪問を往復する車中では、ステップ♪キッズの事業内容や小児在宅医療の課題などについてお話をいただきました。中でも最も印象的だったのは、「ステップ♪キッズの利用者とスタッフは”ステップ・ファミリー”である」というお話しでした。家族のように安心できる、頼りになる、そして様々なことを相談し合える関係を目指しているとのことでした。それは利用者とスタッフの間の関係のみに当てはまるのではなく、利用者のご家族同士もご近所付き合いのようにゆるやかに交流なさっているそうです。私が見学した日の前日に病院から退院され在宅へ帰った赤ちゃんがいましたが、どのお宅でも「○○さんの子が帰ったそうですね!良かった!」、「写真見たよ、とてもかわいいね!」と退院を喜び合っていました。まるで大きな家族のように、親戚同士のように互いの成長を報告し合い、喜び合う関係は、病を持つお子さんご家族にとって大切な、素敵な繋がりなのではないかと感じることができました。

 医療の進歩により、様々な疾患に治療法や延命治療を施すことが可能となり、病院では先生方、スタッフの皆さんが治療に奮闘されています。病院の中では、長い治療の後状態が安定し、退院することはあたかも「ゴール」であるかのように感じてしまいます。しかしその先にお子さん、ご家族の生活、人生が続いていくということを、この見学を通して再確認することができました。お子さんとご家族の温かで、安心できる生活を支えるという視点を持ち、小児科医として成長していきたいと決意しました。

 最後に、見学を受け入れて下さったステップ♪キッズのスタッフの皆様、訪問先のご家族の皆様、またこの見学をコーディネートしていただきました理事長の島津先生に感謝申し上げます。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

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